代表質問を行いました
現在、堺市議会令和2年第4回定例会が開催されています。
今回は令和元年の予算に対する決算審議の議会となります。
前竹山堺市長最後の予算に対する決算であり、大阪維新の会はこの予算には
反対していたものです。
今決算において、健全化判断比率は健全、実質収支は黒字ではあるが、
経常収支比率は初めて100を超える状況の決算となっております。
これは、新たな政策を行う余力について財政的に非力になってきていると
判断できるものであり、これからの堺市の財政運営は厳しいものと言えます。
昨年、永藤市長が誕生し、危機感を持って総額約80億円の大型案件の見直しなどを
遂行しましたが、それでも上記に示す決算状況となっているわけです。
要因としては日本の社会背景として増加する扶助費がありますが、堺市特有の要因として
「堺市民芸術文化ホール(フェニーチェ)開館に伴う施設管理費の増加」
を財政はあげています。
我々の反対を押し切って、倍の規模で現地建て替えした市民会館の影響が出てきています。
また、現在のコロナ禍の影響を考慮せずとも堺市財政は毎年40億から50億不足する
とシュミレーションされており、財政改革、行政改革を進めていかなくてはならない。
それは、現在の住民サービスを守り、また、新たな施策を展開するために必須。
そんな現状の中、8月28日(金)に会派を代表して大綱質疑の一巡目、
決算に関して大まかな会派の方向性を質疑する、代表質疑を行いました。
今回の質疑項目については下記の通りです。
・決算全般について
・財政について
・行政改革について
・連携について
土台となる思想として、堺市という政令指定都市経営についての問題意識を
持って質疑いたしました。
政令指定都市の制度はもともと日本の5大都市の経営を想定して設計されて
おります。大都市に集中する人口と産業集積に対応する都市整備を可能に
することが目的となっていました。
その後、中核市並みの都市にも対象を拡大し、堺市もそのうちの一つです。
また、政令市には周辺地域への波及効果も期待されているところで、
5大都市ではない、堺市という都市規模と果たすべき役割についてはジレンマもあります。
政令市は財源が豊かであるという見方もされますが、支出も多い。
また、都市部であることから、法人市民税の増減の影響も大となります。
経常収支比率が100を超えているのは政令市が多いのも現状です。
財政改革、行政改革の必要性が益々高まっていることに加えて、都市への投資効果は
一市独自路線ではなく、大阪府市と連携を図っていくことは堺市にとって極めて
重要であるという観点で質疑を行いました。
<決算全般について>
今決算の現状把握と、永藤市長が大型案件見直しを行わなかった場合、
どれほど影響があったのかを質疑。
答弁としては今決算だけでなく、将来に渡り影響があったとの見解が出ました。
<財政について>
昨年、永藤市長は財政戦略を発表。財政を戦略的に改革していくこととしている。
それに繋がる計画を策定すべきと提案。中野副市長からは単年度目標など
財政戦略について評価も検証できるように示していきたいと答弁。
私からは独自の戦略を立てていくには独自の分析指標も持つことを検討すべきと意見。
今後、我々堺市のような規模の政令市の経営において独自性も必要とした。
また、法人市民税の影響も受けやすいことからコロナ禍の影響が今後出てくるため
予測し、対応を検討するよう意見した。
<行政改革について>
行政改革は削るという観点から、それぞれの事業目的は守り、その運営方法や体制を
見直し効率化を図ることで継続する観点が必要であると意見。
その一つの例としてフェニーチェ堺(堺市民文化芸術ホール)の運営について議論。
建設時の債権の償還や、会館の指定管理料を合わせると今年度の決算では約9億円。
今後、償還金については今年度の1.4億から来年度は約6億強と跳ね上がり、令和18年まで
同等額で続いていく。
指定管理料金は著名な方を呼んで公演を行い、ギャランティなどで合わない場合、
その差額を補填していくお金も含まれている。やり方によってはどんどん上がる。
こういう運営手法が堺市の財政下においてふさわしいのかも考える必要があると意見。
前竹山市長時代において計画された時に説明していたのは2000席規模にすることで
公演を行う事業者の採算性が上がるためとしていた。
それは公演の赤字補填が発生しにくいということを意味していた。
しかし、オープニングなどの事業計画では採算性などはほぼ見当たらない。
昨年から現在の取り組みとして、大阪観光局と連携しmice(国際会議)の誘致や
市民参加の事業においては国の補助金を獲得していく試みなども答弁があり、
指定管理料の適正化を図っていくとの答弁も得た。
私からは会館の自主事業を堺市も協力して行い、その収益を著名な公演に充填する
ことを求めた。成功事例は少ないが果敢に挑戦するように意見した。
加えて、現在外郭団体へ非公募となっている指定管理について、民間も含め
広く会館運営について提案を受けるように求めた。
大変、厳しいが可能なかぎり文化振興の効果を発揮しながら
指定管理料の適正化の推進を求めた。
フェーニーチェ堺の件は一例として議論し、このように全ての事業において、
また公企業や外郭団体も含めて、事業の見直し、新たな手法に挑戦する事を求めた。
<連携について>
前竹山市長時代と永藤市政の大きな違いは「連携強化」である。
堺市の都市規模を考えるに様々な都市投資については深く考えて行う必要がある。
財政的に大きな負担となるからである。
投資効果が発揮できなければ負のスパイラルに陥るためリカバーがしにくい。
そのため、堺市においては大阪府市と連携して相乗効果を発揮し、
投資効果をあげていく永藤市政の方向性は実質的である。
その上で大阪府市連携となる「ベイエリア開発」
中百舌鳥の産業集積を目指す大阪府市及び三菱UFJ銀行などと連携する
企業及び起業支援の協定などについて質疑。
連携の効果を結果として市民に見せれるように求めた。
自治体連携だけでなく今後は民間事業者と連携強化し、堺市発展のため
全ての可能性に挑戦し「新しい堺をつくる」という志で取り組むよう求めた。
おおよそ、概要ですが以上が質疑内容となります。
堺市はまだまだ改革が必要で僕たちはさらに改革を求めている。
市長、特別職の皆さんは身を切る改革を実践し取り組んでくれている。
我々議員も身を切る改革を行っていく事が必要であるとも述べさせて頂いた。